横浜FC

仲介人契約/マネジメント契約について

2020.8.19 Wed

2020年3月10日(火)に第2回目の講座を開催しました。
講師は、弊クラブ・服部健二ゼネラルマネージャー(以後服部GM)が務めました。この講座では、選手のビジネスパートナーとも言える「仲介人/代理人」について服部GMが講義を実施しました。服部GMは、第1回目の講座に引き続き、選手たちに「何事も自分で考えて行動する事の重要性」を伝えており、選手達もそれをしっかりと感じとっている印象でした。


『仲介人と契約することを否定している訳ではない。自らの成長につながる仲介人を見つけることが重要。しかし、前提として自分の契約は自分で守る。自分で考える力を養い、仲介人任せにしない事が大事。』服部GMからの最初のキーセンテンスでした。選手の中には、既に仲介人と契約している人もおり、服部GMはどうしてその人と契約したのか?を契約している選手に一人ずつ質問をしました。そして自身の選手としての目標と照らし合せた時に、どんな仲介人が自分と良いパートナーになるのか?これから説明する、仲介人/代理人の仕事の内容と、各代理人会社の強みを聞いた上で、改めて自身で考える事を促しました。
仲介人とは「有償又は無償の如何に関わらず、クラブとの選手契約の締結を目的として、選手若しくはクラブのために交渉する又は、移籍合意を目的としてクラブのために交渉する自然人であり、第3条に基づき本協会に仲介人として登録された者を言う」(*1)と定義されており、その業務は多岐に渡ります。仲介人の業務は大きく「エージェント業務」と「マネジメント業務」の2つに分ける事ができます。それぞれの業務を具体的に挙げると、

「エージェント業務」は、大きく以下の4つである。
① 競技関連の業務
② 選手に付加価値をつける業務
③ 競技力向上のサポート業務
④ ライフプランサポート業務
続いて、「マネジメント業務」とは主に、
⑤ 適切なメディア露出・広告出演・イベント出演・出版・肖像管理などを遂行。

服部GMはこれらの具体的な仲介人の業務だけでなく、実際に選手と契約するまでのフロー、禁忌行為、契約年数、金額など細い部分にまで渡り、教えていただきました。選手達は、今まで把握していなかった部分もあり、分からない部分は質問したりと、積極的な姿勢も見られ、よい雰囲気で終始講座が行われました。
最後に『まずは、自分自身の事なので、自分で考える事が前提。自分の目的に即しているかをしっかりと評価し、仲介人とどう付き合えば、自分の目的を達成できるかを考えて欲しい。他人任せにせず、自身で考えて何事も行動して欲しい。そして、自分の目的が達成するために力になってくれる仲介人とともに成長していくことを望んでいる。』と選手達にメッセージを送り、講座を締めくくりました。

参照
(*1)【JFA/仲介人の登録に関する運用基準】より

服部健二プロフィール

■生年月日:1973年11月15日生(46歳)

■出 身 地:愛知県

■学歴:

1992年3月 愛知県立刈谷北高等学校 卒業

1997年3月 東京学芸大学 教育学部 卒業

2015年3月 早稲田大学 大学院 修士課程 修了(トップスポーツマネジメント 平田竹男研究室)

■主な職歴:

1998年 東京ガスサッカー部で主務を務める。その後同チームでトップチームマネージャー兼通訳、強化部、チーム管理マネージャー、コミュニティーアフェアーズを務める。

2009年から2013年までジュビロ磐田で強化部、ゼネラルマネージャーを務める。

2014年から2016年までヴィッセル神戸に在籍し、チーム統括本部として戦力担当、スカウト部部長、強化本部として強化部部長兼スカウト部部長などを務める。

2017年は、V・ファーレン長崎で強化育成部部長、強化アドバイザーを務め、この年クラブはJ2リーグ2位になりJ1昇格を達成。

2018年から横浜FCのゼネラルマネージャーとして就任(J2リーグ3位)

2019年J2リーグ2位で13季ぶりのJ1昇格へとクラブを導いた。

■その他

1997年4月 ブラジル留学(社団法人日本ブラジル交流協会より派遣)

2001年6月 2001FIFAコンフェデレーションズカップ ブラジル代表リエゾンオフィサー

2002年6月 2002FIFAワールドカップ ブラジル代表リエゾンオフィサー

2019年4月 阪南大学 流通学部 専任講師

■資格:

1997年 幼稚園教諭2種、小学校教諭1種、中学校教諭(保健体育)1種、高校教諭(保健体育)1種

2004年 JFA Sports Managers College【Grade3】

2015年 修士(スポーツ科学・早稲田大学)

選手感想

袴田裕太郎選手

本日の講座を聞き、まずは自分で考え、自分はどのようなビジョンを描いているのかを改めて考えさせられました。海外へチャレンジしたいのか?生活力を大事にしたいのか?など様々な事を考えました。

自分のビジョンをしっかりと持ち、必要な時にお願いするのはこのYMCAを通しても理解出来ているつもりではいるが、今や仲介人は業界に大勢いて、正直なところ誰にお願いしたらいいのか分かりません。

もちろん試合に出て活躍して結果を残せば自分の描いている目標に近づくだろうとは思うが、「仲介人」の力は必要になってくると思うので、自分のビジョンと照らし合わせて、誰にお願いすれば良いか決めたいと思います。

 

瀬古樹選手

第2回YMCA「仲介人について」の講座を受けて、運用基準や実務、仲介人の定義、仲介人になれる条件、といった細かい部分まで知ることができました。僕自身、講座を受けるまでは、仲介人は選手の契約をクラブとまとめる人だという大雑把な感じで認識していました。ですが、本講座を受けて仲介人を付けるにあたって様々な選択をしっかり考えてする重要性を感じました。仲介人を付ける時期や、選手としてのタイミングもありますが、目標や目的が合致していること、どのマネジメント会社の誰でも良い訳ではなく、又、仲介人がいるからといって自分の契約等を全て仲介人任せにはせず、自分自身でもしっかりとした考えや意見を伝え合える関係を保てることも重要な選択であると感じました。現在、僕自身も複数のマネジメント会社の仲介人の方々と直接お話しをする機会を設けていただいてますが、今後の選手としての成長や講座で感じた部分を踏まえて時期やタイミングを見て慎重に選択出来ればと考えています。