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キャリアデザイン① セルフコーチング

2021.9.17 Fri

2021年9月2日(木)に第11回目の講義を開催しました。講師は、阪南大学流通学部流通学科准教授の早乙女 誉氏(以下早乙女さん)に務めていただきました。

北海道出身という事もあり、学生時代はアイスホッケーでプロ選手を目指していた早乙女さん。自身の体験も含めて、これまで培われてきた経験からプロサッカー選手がどのように自分と向き合い、競技生活ひいては引退後の生活をより充実したものへとキャリア形成していけるか全3回に渡って、お伝えいただきます。

今回の講義では、事前にアンケートを配布。そのアンケートをもとに平均値を算出し、選手自身の思考や考え方について知る機会とします。

早乙女さんは、成功する人の共通点として、何事にも「やり抜く力」を持った人が成功を収める可能性が高いと考察しています。

その為の行動を突き動かす考え方(モチベーション)は2つあります。

一つ目は、行動した後の結果が良いものだという点。(結果予期)

二つ目は、やればできると思いこむ力(効力予期)

特に二つ目の効力予期の思考が強ければ強いほど、アスリートに関わらずいろいろな分野で成功を収めることができる可能性が高くなります。

ではこの自己効力感(やればできる)をどのように高めることが出来るのか。

 

これは「成功体験」多く積むこと。目標達成をすればするほど、自信がつき、行動を起こすことで次なる成功を生むことができると実証されています。

 

またスポーツの場面においては、主に2種類の目標(目標志向性)があると心理学の理論から、大事な概念として捉えられています。

一つ目は、自我志向性。目立ちたい。相手に勝ちたいなど他者と自分を比較した目標

二つ目は、課題志向性。ベストを尽くす。もっとうまくなりたい。など自分なりの目標

アスリートにおいては、二つ目の課題志向性の考え方が高い選手ほど良い成績をおさめやすいと言われています。

 

また目標達成のための基本的な行動として、「PDCAサイクルとセルフコーチング」を挙げてくれました。

元サッカー日本代表監督の岡田武史さんがクラブなどで実践されていたのが「Good Bad and Next」と呼ばれる取り組みがあります。

1週間ごとに今週の良かった点、良くなかった点、改善点を書き出していくサイクルを続けていくことでセルフコーチングを高めていく取り組みです。

 

今回の早乙女さんの講義で感じたことは、普段はアスリートとしての視点から、目標達成への改善点などを振り返る機会を持つことはありますが、一社会人としての視点から改善点を見つけることでより競技生活を充実させることに繋げられ、引退後にも活かしていくことができると仰ってくださいました。

 

 

早乙女誉氏プロフィール

阪南大学流通学部流通学科准教授

出身校:早稲田大学大学院スポーツ科学研究科 博士後期課程

学位:博士(スポーツ科学・早稲田大学)

 

主要業績:

  • The Relationship between Change in Perceived Motivational Climate and Change in Goal Orientations among Japanese Ice Hockey Players. International Journal of Sports Science & Coaching,Vol.7, No.1, pp.81-88, 2012.
  • 「高校アイスホッケー部活動における指導者のリーダーシップ行動と動機づけ雰囲気および目標志向性の関連」『コーチング学研究』27, No.1, pp.109-116, 2013.

※その他の研究業績については、下記「researchmap」(国立研究開発法人科学技術振興機構)で公開している研究ページをご覧ください。

https://researchmap.jp/H.Saotome

 

□選手の声

■中塩 大貴選手

サッカーはチームスポーツなので、仲間と力を合わせて勝負に勝つ、そのことがとても嬉しいし、何物にも変えられない幸せな時間であるのを再確認できました。それと同時に自分が他の人と違うプレー、周りの人からすごいと思われるプレーをしたときにも、自分は嬉しいと感じるんだと確認しました。

その他の人と違うプレーをするというのが、チームのためになればいいが、ただの自己満足のプレーになってはならないというのも考えています。

だからこそ、チームの勝利につながる他の選手にできないプレーをしていければいいと思います。

 

■岩武 克弥選手

早乙女誉(阪南大学流通学部流通学科)の講義を聞いて改めて自分自身を知ることができました。

アンケートのAとBの結果を見て、自分は結果を出すことに楽しさを覚えるが、その過程に楽しさはあまり覚えないことが改めてわかりました。これは中学、高校、大学と振り返っても同じ傾向でした。しかし上にいくためにはさらなる向上心、楽しむ力が必要になってくるので、家庭の部分をどう楽しむか、どうモチベーションを上げて取り組めるかを日々試行錯誤しながらしていくことが大切だと感じました。

またアンケート1では悪くない点数だったので

自信を持って何事にも成功しやすいとポジティブな心で過ごすことで毎日を充実したものにしていきたいと思います。