横浜FC

Jリーグの未来

2021.6.11 Fri

2021年4月15日(木)に第 6回目の講義を開催しました。講師は、Jリーグ広報・メディアグループの吉田 国夫氏に務めていただきました。

千葉ロッテマリーンズなどの広報も経験し、10年以上広報として勤めている吉田氏に、Jリーグの理念やJリーグ・クラブの在り方についてお話ししていただきました。

講義の冒頭に、本講義のゴールとして、

① Jリーグが何のために存在しているかを知る

② その中で自分に何ができるのかを知る

 

2点を選手たちに伝えました。

 

まずは、選手たちに「あなたにとってJリーグとは何か?」 と問いかけ、一本の動画を選手たちに見せました。その動画はJリーグの歴史が分かる動画で、Jリーグが「地域」を一つのキーワードに発展していった事が伝わる内容でした。Jリーグは地域に根ざしたスポーツである事を目指し、クラブ名には地域名を入れる事を義務化するなどを初めて行ったリーグです。今となってはそれが浸透し、バスケットボールのBリーグや、卓球のTリーグなどがJリーグのビジネスモデルを手本にしています。

 

地域密着と言ったのはいい物の、目指すべき理想的な地域との関係とはどういったものなのか?吉田氏は以下の5点を挙げました。

 

1) 地域とクラブが成績・勝敗に左右されない関係
2) 地域から信頼される関係
3) 地域から愛される関係
4) 地域コミュニティの担い手である関係
5) 地域スポーツと共存共栄の関係

 

上記の5点を実施することでクラブとホームタウンの関係が初めて上手くいくと吉田氏は考えています。

 

次にJクラブのビジネスサイドについて吉田氏は触れました。

クラブの収入面では、収入増加のためには観客数・サポーターの増加が不可欠です。人が増えることで、チケット収入だけでなく、クラブとしてPR価値が高まり、広告収入が増えます。その観点から見ると今このコロナ渦では観客制限をしており、人を増やす事ができません。ある種のモデル崩壊が起きつつあると警鐘を鳴らします。しかし、そんな時でも選手の価値は変わりません。人々はエキサイティングな試合がみたく、特別な体験をしたいからスタジアムで観戦したり、DAZN観戦をします。ぜひ選手にみなさんには、非日常を与える事ができる人である自覚を持って欲しいと伝えました。
最後に吉田氏は、選手の「行動」「言動」がJリーグだけでなく、多くの人を助ける事があります。エスコートキッズの子ども達には、必ず声をかけてください。それがその子にとって一生の宝物になります。と伝え、終了しました。

吉田国夫氏プロフィール

■現職
公益社団法人 日本プロサッカーリーグ
コミュニケーション・マーケティング本部
コミュニケーション部広報グループ
グループマネージャー 吉田 国夫

■出 身 地
秋田県

 

選手の声

本講義の目的である、
① Jリーグが何のために存在しているかを知る
② その中で自分に何ができるのかを知る
について、選手たちに考えてもらいました

■中塩大貴選手
①Jリーグは何のために存在しているのか
スポーツを通して、地域を、人々を幸せにする。サッカーという一つのスポーツで人々が繋がり、非日常を体験したり、地域とクラブが互いに支え合う事で、活性化に繋がると思いました。

②その中で自分たちは何ができるのか
まずは、サッカーに全力で取り組み、人々の心を動かすことのできるプレーをしたい。その他に、現在ではSNSなどを通して地域の人々と繋がる事ができるとも思います。
一刻も早くコロナが収束し、ホームタウンに出て、イベントなど積極的に参加したいです。

■韓浩康選手
①Jリーグは何のために存在しているのか
日本サッカーの水準を高めるのももちろんありますが、一番は地域との連携をより深いものにして、そのクラブがある街を活性化し、その街に住む人々をより豊かにする事だと思います。そしてサッカーだけでなく、スポーツという文化を普及していく事もJリーグの存在意義だと感じました。

③ その中で自分たちは何ができるのか
今回の講座を通して、1人のプロサッカー選手という自分の存在がどれだけ特別で、多くの人に夢や希望を与えられる存在なのかを考え直すキッカケになりました。また、プレーで魅せるのはもちろんですが、日々の言動や振る舞い、インタビューでの発言などにもより個性を出して、積極的に取り組むべきだと強く感じました、